霜が降りるごとく……ppで弾く
レッスン
生徒さんが弾く曲について、
強弱など曲想をどのようにするか?
私は、
「その生徒さん自身が、どう弾きたいか?」
を、大切にしています。
「ここからクレッシェンドして、どんどん膨らませ、
ここで、バンとフォルティッシモ!」
「ここは、もっと小さく。ピアニッシモよ!」
などと指示してしまえば、簡単なのは分かっています。
でも、そのような「先生の演奏のコピー」よりも、
一人一人の個性を引き出したいと考えるからです。
例えば、「曲の最後の、この1音を、どう弾きたいですか?」
と、生徒さんに質問すると、
たいてい、こんな答えが返ってきます。
生徒A:「ピアノで静かに。」
生徒B:「うーん、メゾピアノ位かな。」
生徒C:「ピアニッシモ。」
昨日のレッスンでの、シニア生徒さん(76歳)とのやりとりです。
私:「最後のこの和音は、どのように弾きたいですか?」
シニア生徒さん:「霜が降りるごとく………」
エ~ッ? なんていう表現でしょう。
参りました!
ピアニッシモと言うよりも、
ずっとニュアンスが伝わってきます!
サティの楽譜の書き込みを、思い出しました。
「おどろきをこめて」、「ひどくまごついて」はまだしも、
「大いなる善良さをもって」、「うぬぼれずに」
などというのも……(^-^;;;
「霜が降りるごとく……」
さすが、長く生きてきたシニア生徒さんならではの感覚です。
子どもでは、絶対にこんな答えは出ません。
ああ、これだから、シニアレッスンは面白い。
この素敵な表現が、ずっと頭に残っていました(^^♪
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