ピアノの先生の指導力は、数値化できません
ピアノ教師の指導力を表そうとするとき、「数字を使う」という手法がよく使われます。
・一流音大に○名合格させました
・生徒がコンクールで全国○位に入賞
・○年間も教えています
・今までに○名も教えてきました
・生徒数ランキング第○位! ……etc
確かに、数値は重要。「大部分」ではなく「何%」か? 数字で言われると解りやすい。
私が子どもの頃に習っていた先生は、超厳しいレッスンをして、伸びる子は全国優勝させ、伸びない子はフルイにかけ破門していました。
特別の子ども以外、音楽は「音が苦」でしかありませんでした。音楽という字は、「音」が「楽しい」と書くのに……。
では、「音楽の楽しさ」を教える先生の指導力を、数値化など、そもそも出来るのでしょうか?
何を目安にすればよいのでしょう?
30分間に見られた「笑顔の回数」を「楽しさ」の目安にした音楽療法の研究を見たことがあります。
人間の判断は信頼性に欠けるので、「口角が何度以上あがったら笑顔」と判断する機械まであるそうです。
でも、笑顔って、回数で決まるのでしょうか?
「お笑いを見たときの笑顔」の重さと
「苦労してやっと金メダルを得たときの笑顔」の重さ。
……それらが同じわけ、ありません。
笑顔の「量」だけでなく、その「質」も大事。
ああ、やっぱり、「ピアノの楽しさ」を教える先生の力量を、数字で表すことなんて出来ない。
でも、いいんです。
弾けるようになって「弾けた!」と言う嬉しそうなお顔、キラキラした目の輝き! そんな本物の笑顔に励まされながら、少しでも良い指導をしたいと、日々がんばっています。
がんばれ!!(自分で自分を励まそう)