「仕事」と「趣味」の境目にいるピアノ教師たち
某大学音楽学部の「キャリア教育」の授業でゲスト講師を……とのお話を頂きました。とても光栄で有難いことです。
今、学生さんに何を語り、どうアドバイスしたらよいのか、慎重に考えたいと思います。
「趣味」と「仕事」の大きな違いは、報酬の有無でしょう。
①好きだから、無報酬で(お金を払って)する「趣味」
②好きなことをして、薄謝を頂いてしまうレベルの「趣味」
③好きなことを、食べてはいけない低額の報酬でする「仕事」
④好きなことを、食べていける高額の報酬でする「仕事」
⑤特に好きではないけれど、食べるために報酬が目的でする「仕事」
理想は、④「好きなことを仕事にして、食べていける」です。
⑤「好きではない仕事を、食べるためにする」や、
①「好きな趣味を、お金を払って楽しむ」
は、とても解りやすいです。
よく解らないのが……「②薄謝を頂く趣味」と「③低額の仕事」との違いです。
自分は、②と③のどちらでしょう?
ピアノ指導の収入だけで食べていけるかというと、残念ながら……。
むしろ多少赤字でも、「良い指導」のためなら損得抜きでやってしまうところがあります。
じゃあ、②薄謝を頂いている趣味?
でも、「プロ意識」のようなものは強い方だと思います。
じゃあ、③仕事をしているけど、低収入の人?
うーん、自分でもよく解りません。
しかし、これでは若い学生さんは困ってしまいますね。
もちろん、「好きな音楽を仕事にして、十分な報酬」を得ている人もいます。
でも、割合で言ったら
・生活費は「他の仕事」で得ている音楽家、
・夫の収入で生活が成り立っているピアノ教師
など(2)と(3)の境界にいるような先生が多いのかもしれません。
現実は現実としてきちんと伝えた上で、ではどうすればよいか?
……そのあたりを、しっかり伝えたいと思います。
・あくまで「ピアノ」の仕事をして、足りない分は「バイト」で補う。
・若い今は「ピアノ」で頑張り、30歳になったら夢をあきらめ「就職」。
・食べていくために「就職」し、「ピアノ」は趣味やボランティアで。
・今は「就職」して経済力・人間力を高め、何年後かに「ピアノ」教室
・その他……
音大卒の就職に関して、就職課の職員が書いたベストセラー本はあるので、
私は、現場のピアノ教師の目線で生の声を伝えてこようと思います。
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