音楽教室の「労働基準法」
「雇用主は原則1日8時間労働で週40時間を超えて労働させてはならない。」
と、法律で決められています。
それ以上の過重労働を強いる企業は、「ブラック企業」と言われます。
ちなみに、基準よりも月に80時間(週に18時間位)を超えると、「過労死レベル」とか。
さて、ピアノ教師の場合、どうでしょう?
個人教室の場合、何時間教えようと自由。
労働時間に関する法律は無い。
誰からも訴えられません。
法定労働時間「週40時間」ということは、
・全員30分レッスンとして単純計算すると……生徒数は「80名」が限度。
・上級者・受験生はもっとかかるので、平均40分レッスンで計算すると……生徒数は60名が限度
さらに、
・長期・短期的なレッスン計画の作成、教材分析など「指導を良くするための準備時間」、
・会社ならば、清掃員・営業・経理担当者などがやってくれる「雑務のための時間」、
・指導法セミナー・演奏会・レッスン見学など「自己研鑚のための時間」
などを考慮すると……50名が限度。
さらに、自分自身の「練習のための時間」も入れると、
週にたった5時間で……40名、週10時間でも……30名が限度。という計算。
(「演奏活動」と「指導」、両立がいかに難しいか納得。)
先日、手指の検索をしていたら、偶然、あるピアノ教師のブログを発見。
なんと、生徒さん130名に指導しているのです。
(しかも、講師を雇わず自分1人で。隔週ではなく毎週レッスン)
平日だけでなく土・日曜も教え、レッスンは夜9:30まで。
すごーい!!
スーパーピアノ教師!
ところが、読み進めていくと……体調を崩され、大病のためレッスン中断。
ああ、やはりご無理がたたったのでしょうか。。。
教えたくても、生徒が来ないと悩んでいる先生も、沢山いらっしゃいます。
でも、生徒がたくさん来過ぎても、悲劇につながります。
自分で、自分にブレーキをかけることも大切。
過重労働で自殺した電通社員、高橋まつりさんは、雇用していた会社の責任。
でも、ピアノ教師は、自分の責任です。
自分で自分をコントロールしなければならない難しい仕事だと、改めて思いました。
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