2019年1月17日 (木)

ピアノ教師が人生をかけてやること……社会的責任

 

「シニアのピアノ学習」に関する研究をさせて頂いた母校から、

「ニュースレター」が送られてきました。

 

目を通すと、岡本智周先生が早稲田大学にご栄転との記事。

私の博論の審査員の一人で、本当に多くの学びを頂いた先生です。

研究の力量」が高いだけでなく、

人を教える者」としても「人間」としても心から尊敬しています。

 

先生のメッセージも掲載されていたので、抜粋を……。

 

・博士修了の後に、研究者・実践者としての仕事は始まる。

博士論文規模の仕事」を四つ五つと成し遂げていくことが、人生の課題と心得て、自分の活動を継続・前進させてください。

それが修了した者の社会的責任

人生を賭して探求を続けている人と……

  

ああ、メッセージを読んで、気持ちを新たにするのでした。

 

博士研究の成果を活かした指導メソードを、社会に還元する活動を継続・前進させるのは、

……この研究をしてきた私の「社会的責任」。

今まで、研究成果を活かして、
指導書や教材の出版・その講座・セミナーでの講師養成や認定・「日本シニアピアノ教育研究会」の立ち上げ・「シニアピアノの日」「趣味で楽しむピアノ交流会」……

……様々な活動をしてきましたが、

今後さらに幾つかの「博士論文規模の仕事」を成し遂げることを「人生の課題」と心得て、

人生を賭して継続・前進させていこう……

……そう、思えるのでした。

 

とりあえず、次の国際音楽教育学会で、

日本のシニアピアノ教育について、世界に紹介して来たいと思います。

 

改めて、素晴らしい先生に出会えた幸運に感謝☆

 

 

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2018年2月 5日 (月)

初めての研究会 ご報告

 

日本シニアピアノ教育研究会、第1回が昨日終わりました。

 

会のご説明の後

ピアノ以外の特技は?

②既に実践されている先生は、レッスン状況

(未だの先生は募集プラン)

の2つを入れての自己紹介。

 

・雪国からいらしてくださった先生、

・歌詞を見せて合唱から始まる魅力的なプレゼンをされた先生

・音大を出てケアマネもされている先生、

……様々な人生ドラマ、想いがあって、セミナー受講されていたのだと改めて感じました。

 

認定された先生方が少しでも活躍できるように、私も出来る限りのことをしたいと思います。

 

全体会(30)→分科会(1時間)→全員でシェア(30)

と進みますが、皆さまのご希望で

・生徒さんがよく家庭練習をするような指導法 

・教本の指導ポイントの再確認

の2つの分科会が決まりました。

 

皆さん、勉強熱心で、ヤル気があって、腰が低く、

……私の方が学びたいような先生ばかり。

このような先生方とご一緒に、シニア指導を深めていけたら嬉しいです♪



2017年2月19日 (日)

世の中から必要とされるレッスン、研究は……

 

世の中から必要とされる研究、世の中の役に立つ研究というのは、いくつもの領域にまたがっているもので、一つの領域のみで考えていてもあまり役に立ちません。

 

私の研究テーマ「シニアのピアノ教育」も、様々な領域から考える必要がありました。

「音楽教育」や「生涯学習」で修論を書き、教育、心理、福祉、医療など、ヒトを対象に学際的に研究するヒューマンケア科学という専攻で学位を。

審査の先生方3人は、教育、医学、高齢者ケアがご専門だったので、様々な観点からアドバイス頂き、博論の質を高めて頂くことが出来て本当によかったです。

 

そして、そのようなより実践的な研究というのは、すぐに執筆依頼を頂いたり、色々な地域で指導法講座をさせて頂いたり、研究結果をすぐ社会に還元できて、恵まれていました。

 

ただ、私はどの領域の専門家か? というと、「音楽教育」「音楽療法」「高齢者ケア」……どの領域からも、ちょっと違うと思われるため所属できず、研究から遠ざかっていました。

 

 

先日、ある学会から突然、学会誌の査読員をお願いできるかというメール。

研究から離れているし、英語の学会誌だし、断ろう!

 

と思った時、自分が論文投稿した時の苦労を思い出した。

「シニアのピアノ学習と健康効果」などという変わったテーマの論文、引き受けてくださる査読員が見つからないのか、結果を頂くまでやたら時間がかかって、閉口したことを。

シニア音楽研究のお手伝いができれば嬉しいし、

第一、そのようなテーマの論文が書かれる可能性は、きわめて低い。

 

と予想して、「音楽教育と健康効果」に関する論文のみという条件で、お引き受けしました。

2016年12月26日 (月)

条件は、「おしゃれ・~が好き・教養がある」

 

ともに学ぶ1人1人のニーズに応える音楽教育実践―」が特集1、

「ずっと学ぶー成人のための音楽教育実践―」が特集2

となっている音楽教育実践ジャーナルが、今日、届きました☆

                             

Journal_cover

私は、もちろんシニアピアノ教育の実践について書かせて頂きました。

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興味深かったのが、アメリカの学会でご一緒させて頂いた味府先生の報告。

高木東六の作った「ザ・シワクチャーズ」という合唱団の参加条件は、

おしゃれで歌が好き教養のある女性」だそうで、

大正10年生まれの団員のお写真は、とてもお洒落で凛とした美しさが……。

私の教室にいらしている生徒さんと共通する素敵な魅力を感じました。

 

今回の特集の内容、そのままピアノに当てはまります。

仲間とともにピアノを学び、でも生徒さん11人のニーズに応え、

そして、ピアノを生涯ずっと学ぶことが重要……ピアノ教育のキーポイントが沢山。


 

2016年10月 7日 (金)

不親切な私……学会誌を前に考え込む 

 

日本音楽教育学会のジャーナル誌の次回特集は、「ずっと学ぶ」です。

そこに「シニアピアノ」のことを書かせて頂きました。そろそろ校正。

 

最後の「今後の課題」に目が……。

                             


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(概要を少しだけ抜粋)

幼児のピアノ教育は,その発達段階に合った指導がなされているように、

シニアのピアノ教育も,そのエイジング・能力・ニーズなどをきちんと理解し,その発達段階に合った指導がなされるべきである。

そのためにまず,専門性をそなえた質の高いピアノ指導者の養成が急務である。

3人に1人が60歳以上となった今、シニアピアノ教育に関して体系的にきちんと学べる指導者養成の場や仕組みが求められている

 

 

本当にそう……考え込む私。

指導法セミナーをしてきたものの、1回で終わる単発のもの。

先生方も実践を始めれば、きっと様々な疑問が湧いてくることでしょう。

そんな質問に応じる機会(アフターフォロー?)が無いのも、ちょっと不親切。

 

シニア指導法について体系的にきちんと学べる仕組みや場……本気で考えてみます☆